ブロックノイズが「嘘の証拠」?A


「壁が写っている!」



http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp167/CPP167_Lies_ofApollo17Images_seen_byGoblinQuark.htmlより

「偽物の空を作った板壁が現れた。スタジオ撮影の証拠だ!」そうである。これも例によって、リンク先から同じ画像を拾ってきて〈覆い焼き〉レイヤーを重ねてみた。

すると成る程、同じような「板壁」が現れた。

〈光核解析〉などといったスゴイことはできないが、筆者の持っている古いバージョンのフォトショップでも、この程度のことなら確認できる。



もしこの画像が、最初はNASAのサイトから転載されたのであれば。ネット上の他サイトの写真も出所はほぼ同じな訳で、他にもこの「板壁」が写っているはずである。

そう思い、この分類ナンバーAS17-147-22527をあちこちのサイトから集め、一枚ずつ同じ処理をしてみた。ところが…



ご覧の通り、「板壁」が現れた写真は一枚もなかった。ちなみに右から三枚目の、赤っぽいザラザラした空の写真が、“本家”NASAの公式サイトから持ってきたもの。

これはどういうことか。つまり「板壁」が現れるのは、黒月氏がリンクしているサイトの写真のみ、ということだ。

そのサイト「ASTROVISION」から拾ってきた、別の写真。

http://astro.vision.free.fr/fonds.php?mots=conquete&debut=20より

南米チリのパラナル天文台の写真だが、jpeg劣化して空のグラデーションが階段状になってしまっている。こんな写真を載せているサイトなのだ。

転載を繰り返され、サイズなどを変更されるごとに、jpeg画像はどんどん劣化してゆく。どの段階でどのくらい劣化するかは、試したことがないので不明だが、この「板壁」はまず、劣化によるノイズと見て間違いなかろう。

どうしてこの方は、画像解析などと言いながら、拾ってくる写真は得体の知れないサイトからばかりなのか。本家NASAのサイトの写真からこの「板壁」が現れるなら、もう少し信憑性があろうというものだ。




「カメラが写っている!」



http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp165/CPP165_FalseImage_ofApollo11_seen_byGoblinBlink_withContour_goc15.htmlより
こちらは「カメラが写っている」とのこと。これも同じ画像を拾ってこようとしたのだが、リンク先はNotFoundであった。仕方が無いので、黒月氏のページの画像そのものをハイコントラスト処理してみた。
http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp165/CPP165_FalseImage_ofApollo11_seen_byGoblinBlink_withContour_goc15.htmlより

ひどいブロックノイズである。黒月氏はBMPに変換しているようなので、劣化はないだろうが、元の画像はjpegだ。

元がどの程度の劣化かは不明だが、それにしてもこんなモノを“解析”してどうしようというのだろうか。

次は、NASAのサイトから持ってきた同じ写真。低画質版なのでこれもノイズが現れるが、黒月氏のそれとはノイズのパターンが異なる。

http://spaceflight.nasa.gov/gallery/images/apollo/apollo11/html/as11-40-5949.htmlより

確かに黒月氏の画像の方は、旗の上辺りに、氏が「カメラだ」と断定するパターンが現れている。ではこれは本当にカメラなのだろうか。
まず大きさが怪しい。もし本当にカメラで、この舞台がスタジオなら、旗から何メートルも奥にあるかと思うのだが、そうだとすると異様にバカでかいカメラだ。


仮に当時の16mm、35mmカメラなら、アリフレックスかミッチェル等と思うが、大きさはこんな↓感じである。旗と比較してみて欲しい。

また、左右の四角いモノを「フィルムの外付けドラムでは」と書いているが、通常フィルムマガジンは上に付くもので、「左右に」付くタイプを、筆者は寡聞にして知らない。


左からhttp://xylocopal2.exblog.jp/7896094、http://homepage2.nifty.com/masatoki/kinkyo9.12.12.html、Apollo Image Atlasより

「支柱」から伸びた「腕」に付いているとも言うが、こんな取り付け方をする理由が不明だし、これではモーターの振動でガクガクの映像になってしまうだろう。


>さらに、ここでコンター処理をしたところ、カメラの左右に、長方形の何かが付属していることが分かった。すぐにピンときた。大量のフィルムのためのドラムだ。

かつての一眼レフカメラには、このような付属品があったということを、私の記憶ファイルから呼び出した。

インターネットでも調べてみたが、現在のカメラ市場からは消えているようだ。見つからなかった。ともあれ、これで、カメラ説は、さらに強力なものとなった。

http://www.treeman9621.com/KAI_HP_Guide/RandomNote2009/RaN13_ColorfulMoonSky.htmlより


ハァ?一眼レフ???一眼レフカメラなんて、両手のひらに乗るサイズなんですけど?(@_@)それが何で旗と同じくらいのサイズで写ると?

付属品?フィルムパトローネの巻き取りは、本体内蔵のスプールで十分用が足りるのであって、そんな付属品は見たことも聞いたこともありませんが?(下は1969年製のライカSL)。

「ネットで調べた」そうですが、見つからなかったのになぜ「カメラ説がさらに強力なものと」なるんでしょうか。


http://okasii.exblog.jp/5394187/より

いや、そもそも「スタジオで捏造写真を撮ろう」というときに、なぜ真正面にカメラを置きっぱなしにするのかwどんなバカでもそのくらいは気づくはずだ。

参考までに。これも天体写真ファンの方のブログから拝借した、夜空の月写真。ハイコン処理をしたらかなりのノイズが出た。


http://ngdryo.exblog.jp/8866645より

ノイズのパターンを拡大したもの。随所にシンメトリー図形が現れる。ブロックノイズはこういうイタズラをするのだ。

他にも「背景に金網が写っている!」というページがあるのだが

『月の暗い空のあまりに幾何学的な星座』

もうこれ以上引用する必要もなかろう。

「カメラ云々」も「板壁」同様、たまたまそれっぽく見えたノイズを黒月氏が勘違いしているだけである。

ちなみに、氏は他のページでこんなことを書いている。


>もっと以前のNASA Apollo画像では、このスタジオと外側とを区別する、暗い「金網」や、黒く塗られた「板壁」が存在していたものがあるが、それらも、もっと「月の夜空」に見えやすい、他の画像へと置き換えられているのだろう。

最近のNASAのサイトにある画像からは、「金網」や「板壁」は見つけにくくなってしまった。

http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp204/man-made.htmlより



嘘だ、嘘だと随所で連発する氏であるが、この文章自体が黒月氏の嘘である。

まるでNASAの公式サイトの写真を解析したかのように書いているが、「板壁が見える」も「金網が見える」も「カメラが見える」も、全部他所のサイトから拾ってきたヤツじゃないですかw

まァ、アポロ捏造派が提示する「証拠画像」とはこんなレベル、という参考にはなろう。


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