「影が平行じゃないから偽物だ」
●「遠方の太陽」でできる影は平行??? http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp167/CPP167_Lies_ofApollo17Images_seen_byGoblinQuark.htmlより
http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp220/apollo16.htmlより
この「影が平行じゃないのはおかしい」は、氏のページのあちこちに書かれてる。全部は引用できないので2、3ページの引用にとどめた。
こんな、遠近法の基本的なことも知らずに“解析”などと称しているページの検証など、正直バカバカしいのだが。
しかし、これほどまことしやかに書かれていると「そうだったのか、やっぱりアポロの写真は嘘なんだな」と、信じてしまう人もいるやも知れぬ。
確かに太陽は、遠方から均一な光で地球を照らしている。しかしそのことと〈地上の影がどう見えるか〉は、全く別のことだ。
光源が、太陽だろうが人工照明だろうが、遠方にあろうが近くにあろうが関係ない。我々の住むこの三次元では〈遠くのものは小さく見える〉のが当たり前、なだけである。
ちなみに下の写真も「遠方にある太陽が光源」なんですが?なんで影が平行になってないんでしょうねw
http://blog.goo.ne.jp/efs1022mm/e/4bae0860566f3ba809a4eaacf059acecより
例えば電車の線路は平行な二本線だが、見る位置が変われば、遠くの方は先すぼまりになって消えてゆく。これが〈消失点〉で、絵を描く人なら誰でも常識としてご存知だろう。
また、太陽も人工照明も、元をただせば「点」の光源であり、そこから生み出される影は光源の消失点に集束してゆく。
http://harvestart.blogspot.jp/2010/04/two-point-perspective.htmlより
氏は「遠方に光源があれば影は平行になる」と、カンペキに誤解しているが、影が平行に見えるのは〈光源に対して真横から〉見たときだけである。
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/npp/150103.htmlより
これなどは多言を要すまい。 http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp178/CPP178_Lie_ofApolloMoonImage_analyzed_byGamonGraph.htmlより
下の写真と見比べれば、この方がいかに何も調べずに書いているかが分かるだろう(被写体の人物と影を結ぶ線は太陽高度)。
http://www.clavius.org/bibzz3.htmlより
●別々の写真?
影の話とはちょっとズレるが、16号の写真解析についてもう少し。 http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp220/apollo16.htmlより
もう、この人の“解析”は何を言ってるのか訳がわからん。「これは図1とほぼ同じ状況で撮影されたものだろう」って…
いや、あなたの言う画像Dは、ハッセルブラッドで撮られたオリジナルで、画像Aは、それを誰かが後からつなげて作ったパノラマ写真ですよ?
別々の写真だとでも思ってたんですか?
Apollo Image Atlasより http://www.nasa.gov/mission_pages/apollo/40th/images/apollo_image_4.htmlより
http://www.nasa.gov/mission_pages/apollo/40th/images/apollo_image_4.htmlより
ちゃんとご自分がリンクしているページに「27枚のフレームから成るパノラマ写真」と、説明されてるではないですか。
>図4は(中略)中央上部に光源のハローが現れている
>図1で光源のハローが現れていないのは、暗い空の部分が、人工的な黒に置き換えられているからである
…???
そりゃあきっと、このパノラマ写真を作った誰かさんが「ちょっとこのハレーション目障りだから消しちゃおう」と、塗りつぶしたか、置き換えたかしたんでしょうねぇ。そんな、見比べればすぐ分かる上、後から加工されたのが分かりきっているものをつかまえて、「偽物の証拠発見!」みたいに書くのってどうなんでしょうか。
●再現実験その2
>月着陸船の影と、光源の位置の推定から、このときの光源が太陽ではないことが示される
この写真を見ただけで「光源が太陽ではない」と分かるとは、恐れ入るが。一応データを参照しておこう。 https://www.hq.nasa.gov/alsj/alsj-sunangles.htmlより
Sun AnglesApollo 16
Landing: 104.50 GET
EVA-1
Start: 119.00 GET, 22.2 deg.
Finis: 126.00, 25.7 deg.
EVA-2
Start: 142.50 GET, 34.1 deg.
Finis: 150.00 GET, 37.9 deg.
EVA-3
Start: 165.50 GET, 45.8 deg.
Finis: 171.25 GET, 48.7 deg.
この、分類ナンバーAS16-116-18578が撮られたのは、第3回目のEVA(船外活動)のとき。
時間はGET(地球時間)165:55:34、太陽の角度は約45°とある。全アポロミッションの中で最も高い太陽高度だ。
では45°の日差しが生み出す影はどんなものか。「影の長さがちがうから偽物だ」で使用したセットを使って、再現してみることにする。
これも同じ形の物が欲しいので、アオシマ再販の着陸船プラモデルを購入。久しぶりにプラモなど作ると、昔のモデラー魂(笑)がうずいて、バリバリに仕上げしたくなってしまうが、今回はただの実験なので素組みでガマン。
飛行士のフィギュアもチッコ過ぎてスケールがテキトーだが、大昔のキットなのでご愛嬌だ。
カメラは(想定される)撮影者のカメラ位置、模型はライトの正中線上に置いた状態。これもほぼ、同様の影ができる。
Apollo Image Atlasより
このようなセットで撮影。飛び入り参加の月面車も、同じような影になることが分かる。
http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp220/apollo16.htmlより
チッコいフィギュアが「ボクも混ぜて〜」と寄って来てる感じなのでwこの写真もついでに再現。 このAS16-114-18423は、第1回目のEVAでの撮影。時間は124:02:22、太陽高度は25°である。
これは連続写真で、別のAS16-114-18427では同じ飛行士が右手に歩いていったところを、横から撮っている。 横から見ると影が長く伸びて見えるが、正面から見れば遠近法で寸詰まりに見えるだけだ。
>もし、これが太陽だとしたら、かなり高度の低い状態であり、宇宙飛行士の手前にある影の身長は、これの何倍にもならなければならない。
この方は結局、バクゼンとした“気分”でものを言っているに過ぎない。
太陽か人工照明かで影の長さが変わりなどしないし、同じく、何が光源だろうと〈真横から見たとき以外に〉影が平行線になることはあり得ない。
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