「影の長さがちがうから偽物だ」




http://www.treeman9621.com/CPP_BRANCH/cpp210/Apollo15.htmlより

画像Aと画像Dについて「アポロ16号」と書いている。あのぉ、この元ページに載っているアポロ写真は全て「15号」のものなんですが。
ページタイトルは「15」なのに、関係ない16号のデータをもっともらしく並べて「画像Aと画像Dは共存できない」とやっている。15号のミッションは、一年前の1971年7月だったんですが。

NASAの画像管理者?をバカにする前に、ご自分が解析する写真が何号のものかくらい、調べてから書かれては如何か。

この手の「影の長さや角度が変だ、どうたら」は、いわゆるアポロ捏造派の人たちが昔から延々と繰り返している話だ。どうしてこの人たちは同じネタを、何度も何度も無限ループさせるのだろうか。

ただまァ黒月氏が言われる通り、画像Aと画像Dでは、影に極端な差があるように見えるのは確かだ。これについては検証しよう。

こればかりは「変だ」「変じゃない」と言い合っても、水掛け論にしかならない。実験してみるしかないだろう。

簡単なセットを作り、光源と影の状況を再現してみることにする。なるべく同じような影ができる立体物が望ましいので、Amazonで月面車のオモチャを入手した(笑)。




実はアポロの月面写真はほぼ全て、撮影日時と太陽の角度が秒単位で記録されている。それらはちゃんと公開されているのだ。

まずは画像A、分類ナンバーAS15-86-11603を再現してみる。第1回目のEVA(船外活動)で撮られたもので、SUN ELEVATION(太陽高度)は21°である。


https://www.hq.nasa.gov/alsj/a15/a15.photidx.pdfより

アルミの廃材をL字型に組み、先端にLEDライトを取り付け、角度を自由に変えられるようにした。


太陽高度21°での影の出来具合はこんな感じである。おおむね、オリジナルと同様の影の長さになることが確認できた。

Apollo Image Atlasより                            



次は画像D、分類ナンバーAS15-88-11901。これは第3回目のEVAで、画像Aの約42時間後に撮られた。太陽高度は39°とあり、太陽は18度上昇したことになる。
https://www.hq.nasa.gov/alsj/a15/a15.photidx.pdfより




太陽高度39°の再現。逆光気味の11603と違い、順光気味に撮られている。これも影のでき方はほぼ同じになった。

当然、カメラの位置は撮影者の目の高さ(飛行士は胸にカメラを付けていたので、正確には胸の高さ)を想定して合わせている。

Apollo Image Atlasより                            

分度器目盛りを入れるため、部屋の照明をつけたら影が二重にできてしまった。手前の影が39度のもの。

むろん、こんなチャチなセットで撮った写真を、証拠だ何だと言うつもりはない。

しかしバクゼンと見た目で、


>画像Dは、月面における「昼ごろ」(中略)の画像である。

>「画像Aから画像Dまで、地球の日数で7日ほどかかっている」

と断じる“解析”よりは、少なくとも簡単とはいえ、データに基づいた再現のつもりだ。

そもそも、一見データに基づいた話のように見えながら、勘違いして全然別のミッションのデータを並べているのでは、お話にならないが。



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