ルミノール反応は無かった

善枝さんの死体を逆さ吊りにしたとされる芋穴のルミノール検査結果は、1988年、実に25年を経てようやく開示された。結果は陰性、つまり反応は無かったという。

死体の後頭部には裂傷があった。脅迫状を届けて帰る2時間以上の間、逆さ吊り(寺尾判決では『穴の中であお向けになった』と強弁)にした芋穴の底から、血液反応が出ないとは信じがたい話だ。

「考えられない」

これも寺尾判決では、想像のオンパレードで片付けられる。


後頭部の裂創による外出血があったとしてもさほど多量であったとは考えられない。

(控訴審判決)


約1.3センチの傷が出来て、出血をしない人間がこの世にいるのだろうか。特に頭部は毛細血管が集まっているので、少しの怪我でもひどい出血をするのは、御経験がある方もいるだろう。

「さほど多量とは考えられない」は寺尾裁判長の単なる想像に過ぎない。そんなものを、一人の人を有罪にする根拠にして良いのだろうか。

ルミノールは数万倍に薄めた血液でも反応が出る鋭敏なもので、血痕が古ければ古いほど強く反応する特質も持つ。出血が「多量」か「少量」かなどは関係ないのだ。

●なぜ雑木林の結果が?

一方、殺害現場とされる雑木林のルミノール検査結果は、未だにスパッと明瞭に開示されていない。「当時やったかどうか記憶にない」「実施したが、陰性だった」等々、モゴモゴと奥歯に物がはさまったような、検察の報告書は開示されたようだが。

出血を伴った殺害現場で、ルミノール検査を行なわないなどあり得ない。もし雑木林から陽性反応が出ていたら「ほら見ろ、石川の自供通りだ」と、喜んで証拠にしているはずなのだが。

石川氏の自白は、ことごとく事実と整合しない。死体からも犯行現場からも、氏が直接関わったことを示す物的証拠は、何一つ出ていない。

●Wikipediaでは

ちなみに例のWikipediaの、狭山事件ページ

「石川はカンパで悠々自適」といった、氏を故意に貶めるようなゲスな記述はビッチリ書き込まれているが、これだけの長文ページに関わらず、この〈殺害現場のルミノール反応検査〉については、驚くなかれ、一行も書かれていない。



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