まだ明るいのに“抱えて運んだ”?

筆者はここ数年、毎年5月1日の、屋外の明るさを観察してみた。

判決文では、石川氏は4時半頃に善枝さんを殺害し、30分ほど「思案した」後、死体を抱きかかえて200メートル先の芋穴へ運んだという。するとその時間は5時頃となろうか。

5月1日の5時頃は、まだ日中と言っていいほど全然明るいのだ。もちろん当日の雨を考慮しなければならないが、それでも真っ暗になどはならない。

おおむね6時頃から急速に暗くなっていくが、6時頃でもまだ20メートル先の人の顔が十分視認できる。事件当日、63年5月1日の日没は午後6時27分である。

5時〜5時半頃なら、農作業から帰る人がまだ農道を通ったかもしれない時間帯だ(実際、長兄氏が当日『5時頃まで作業をした』と言っている)。

その明るい農道を、石川氏は〈タオルで目隠しし、パンツを膝まで下ろし、後ろ手に縛った女子高生の死体〉を抱えて、わざわざ民家のある方向に運んだという。誰かにバッタリ出くわしたら、1ミリも言い逃れができない状況ではないか。

しかも芋穴に着いてから、今度は約200メートル先の民家へ、吊り下げ用?の荒縄を盗みに行っている。その間、戻ってくるまで死体を放置していたというのだ。こんなことを実際に行なったなど、信じろという方が無理な話だ。



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