11・“一文字鑑定家”




「狭山事件 一問一答 冤罪論の疑わしさをめぐって」より

鑑定ごっこ

〈10・脅迫状が手本に〉に掲載した「ずツ」早退届の、「ツ」の一文字だけを鬼の首を取ったように掲げ、「見ろ、『はらい』はできている。上申書は筆跡をごまかして書いたのだ」としている。


筆跡鑑定とは、筆勢、筆圧、常同性、字画形態などなど、あらゆる面から対照して検証する、高度な鑑定作業である。だから専門の鑑定士が存在するのだ。

Wolfgangのやっているのは、小学生の子供レベルの幼稚な鑑定ごっこだ。しかもこの字は事件より5年も前のもので、本人の自筆かどうかの証明もされていない。

仮に読者のあなたが石川氏のような立場に巻き込まれたとして。5年前に書いた自分の文字から、脅迫状に似ている一文字だけを探し出して「ほら見ろ、これが証拠だ」と、突きつけられたらどうするか?全くたまったものではないだろう。

珍説

この“鑑定家”は、「上申書の字を左手で書いたとしたら」なる珍説を唱えている。

逮捕前の5・21上申書は〈刑事二人と、家族が見ている中、10〜20分で書いた〉という。警察は筆跡を調べたくて書かせているのだ。わざと左手で書いたりしたら、すぐに「お前、何をやってるんだ」となろう。

しかもこのとき、なかなか書けない石川氏の手を刑事が取って「こう書くんだ」と書かせようとしたと、父・富蔵氏が証言している。
逮捕後の5・23上申書も、捜査員が目の前で書かせている。取調室で、ペンを持たせた状態の被疑者から目を離すことなどない。そうした物は自殺や武器に使われる恐れがあるからだ。

このページのQ・Aの半分以上が、素人筆跡鑑定家の珍説・ご高説である。まったくヘキエキだ。




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