宮崎勤の年賀状


FLASH /光文社 89年9月5日号より)


左下の、逆さまに書かれたクイズの答え




コマをまわすための糸がミミズに化けたのを見ておどろいているのだ!


宮崎が80年、明大付属中野高校時代に友人に出した年賀状。マンガや語呂合わせがビッチリ描き込まれており、実に楽しげだ。
下の、黒く塗りつぶされている部分は個人名か。

記事は「トンデナイコト シタリシテ」を犯行の暗示などと書いているが、いくら何でもこじつけ過ぎであろう。
宮崎勤というとネクラで神経質なオタク男のイメージが強いが、引きこもり的な生活をしだしたのは短大卒業以後で、学生時代は普通に、明るく友人付き合いをしていたようだ。

過去の宮崎像はネガティブなものが多いが、意外にスポーツは得意だったり、また「バカボンのパパみたいな面白いことを言う奴で人気があった」という声もある。どこのクラスにも一人や二人、そんな感じの少年がいたのではないだろうか。

HAPPY NEW YEAR」の語呂合わせや、様々な言葉の頭をつなげた「コトシモヨロシク…ね!」など、パズル雑誌の常連投稿者だった宮崎らしさが伺える。

このパズル趣味に結び付けられて浮上したのが“犯行メモのアナグラム”説である。




●宮崎勤のアナグラム?


有名なのは遺骨入り段ボールに入れられていた犯行メモ「真理 遺骨 焼 証明 鑑定」のローマ字「
MARI IKOTSU YAKU SHOUMEI KANTEI」の並べ替えが
MIYASAKI TSUTOMU HAKONI IRE KIE(宮崎勤 箱に入れ 消え)」、または、

MIYASAKI TSUTOMU KIREINI HAKOE(宮崎勤 綺麗に箱へ)」と読めるというものだ。


これは当時「デイズ・ジャパン」という雑誌に掲載された説が広まったものだが、警察はこのアナグラム説に関しては何の発表もしていない。

本当を言うと筆者自身も、これにはあまり関心を持っていない。確かに偶然にしてはでき過ぎだし、意図的に仕込んだのは十分あり得るが、仮に犯行メモがアナグラムだったとしても「そういうものを仕込んだとしてもおかしくはないな」と思う程度である。

宮崎が「アナグラムを仕込んだ」と供述していない以上、アナグラムが仕込まれていようが、ダヴィンチコードが仕込まれていようが、犯行事実そのものの立証とは何ら関係がないからだ。

ちなみに「任意の27字のローマ字の並べ替えから宮崎勤のフルネームが出てくる確率は1兆分の1以下」と関連本では書かれているが、この数字も誇張されてるようで、実際は10万分の1程度らしい(それでも結構な確率ではあるが)。





●「魔が居るわ」

88年12月に、宮崎は今野さん宅に〈魔が居るわ 香樓塘安觀〉と切り貼りコピーしたハガキを送っている。
これも宮崎逮捕後、入間川(いるまがわ)を読み替えたアナグラムでは?と解釈された(ただし本人は送ったことは認めているが、アナグラムかどうかは言及していない)。

「香樓塘安觀」の部分は全く意味不明だが、供述によれば「真理ちゃんは中国の人さらいに連れて行かれ、中国で元気に暮らしていると思えば、母親も気休めになるだろう」と思い、「中国語風の文字を切り貼りして作った」とのことである。

これだけの文字で、そんな意味が本当に伝わるとでも思ったのだろうか。こういう辺りも、宮崎独特の勝手な思い込みが顔をのぞかせるところだ。


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