■部屋に入ったマスコミ

B遺体切断現場が宮崎の自室だったというのに、警察は証拠保全もせず、報道陣を部屋に入れたことになる。これは小さな問題ではないはずだが、いつのまにかうやむやになった。こんな疑問が放置されたままなのだ。
http://www.asyura2.com/0505/bd41/msg/730.html

報道陣が部屋に入った時点では、まだ宮崎が綾子ちゃん殺しの犯人とは断定されていない。また、報道陣を部屋に入れたのは警察ではない。実にまことしやかな物言いだ。

結論から言えば、単に警察の現場保存が遅れてしまっただけのことである。


●「シロだと思うが…」

実は、宮崎が八王子の強制わいせつ事件で逮捕された数日後に、すでに警察は宮崎宅に入っている。

そのとき家族の立ち会いのもとで部屋に入った刑事は、膨大な数のビデオに呆れながらも、本件と関係のありそうな少女のパンチラ写真数枚を押収しただけで帰っていた。

当初、宮崎は単なる変質者に過ぎず、一連の幼女殺害犯としてはシロとみなされていたのだ。なぜか?


宮崎の車がラングレーだったからである。警察は目撃証言から、カローラIIを犯人の車と断定して追っていたのだ(「脱輪に関する証言」にて詳述)。

後にトランク内の不自然な血痕や軍手について追求され、自供に至るのだが。8月9日の夜に自供を得たものの、実際に骨が出るまでは、捜査員らもホンボシの確信は持っていなかった。


(サンデー毎日89年9月3日号より)

●8月10日の動き

宮崎の自供通りの場所から頭蓋骨が発見されるのが午前10時頃。その情報を入手したマスコミ各社が、騒然とし始める。

まだ頭蓋骨は鑑定中だったが、今にもどこかの一社がスッパ抜きかねない状況であった。やむを得ず、同日正午頃、八王子署と深川署捜査本部が緊急記者会見を行なう。

警察としては各社一律、横並びに情報を与えて牽制するのがこうした場合のセオリーである。ただちに
NHKが正午のニュースで第一報を伝え、民放各局も臨時のテロップを流す。

だが、まだこの時点では、綾子ちゃん事件容疑での逮捕状も、家宅捜索令状も出ていなかった(出せる状態になかった)のだ。



(同、リード部分)                           (朝日新聞89年8月10日夕刊)

宮崎の自供を伝えた新聞の第一報。これは夕刊の4版(最終版)。つまりこの記事は4版締め切りのデッドライン、午後1時〜2時時点での最新情報である。「断定され次第〜逮捕する方針」と発表されている。

同時刻、宮崎宅では大勢の取材陣が踏み込んでいた真っ最中であった。


令状が出なかった理由

本人は「綾子ちゃんの頭蓋骨を棄てた」と言っているが、もしもウソで、鑑定で別人の骨と出たらどうなるか?全く別の死体遺棄事件として発表し直すことになってしまう。

見つかった頭蓋骨に肉や毛髪がなく、ツルツルだったこともその疑惑を深めた。「洗った」などという話を誰もにわかには信じられなかったのだ。

数ヶ月前に埼玉県警が真理ちゃんの歯の〈別人発表〉で、とんだ醜態を演じた後である。それを警視庁は軽率な発表だと冷笑していた。

鑑定できっちりクロと出るまで、再逮捕をする訳にはいかなかったのだ。


連絡ミス

なぜマスコミがこれほど早く宮崎宅に行けたのか?

最初に八王子署の副署長が(頭蓋骨の件は伏せたまま)強ワイの被疑事実のみを、深川署捜査本部の橋爪捜査一課長が「重要参考人の取調べについて」、それぞれ会見を行なった。

このとき深川署の発表の方は匿名だったが、その前に八王子署が、宮崎の実名も住所も発表してしまっていたのだ。完全な連絡ミスであった。

見つかった骨がまだ誰のものか不明な上、宮崎は立場上、すでに現行犯逮捕されていた被疑者である。しかも未成年でも精神疾患でもない。八王子署としては型どおりの警察発表でお茶を濁した(つもり)に過ぎない。

かくして橋爪氏が匿名にした意味もなく、宮崎の名前も住所もバレバレとなり、取材陣が大挙して五日市町へ殺到することとなる。

発表してしまった以上、マスコミが現地へ駆けつけるのを止める法的根拠はない。それだけならまだしも、父親が彼らを部屋に入れたと聞いてビックリ。再逮捕もしていないのに、慌てて現場保存の命令を出すという泥縄であった。


●「捜査の失敗だった」

この件について、毎日新聞記者が橋爪捜査一課長に質問をしている。

記者――宮崎宅の現場保存が遅れたとの批判もある

課長「現に人が住んでいる家を令状もなしに立ち入り禁止にできるわけがないでしょう。そんな事をやり出すと国家権力の乱用ということになってしまうのでは」
(毎日新聞89年9月2日)


また、橋爪氏は、「まさか父親がマスコミに部屋を公開するとは思いもしなかった。あれは捜査の失敗だった」と述懐。
(三沢昭彦著「捜査一課秘録」光文社/2004)

(「倒錯 : 幼女連続殺人事件と妄想の時代」(1990/NESCO)より)

当時取材にあたった東京新聞の記者は、そのときの様子を、
「マスコミが取材していると、やがてそこに警察官が来て、『出て行け、出て行け』と記者たちを追い払い、やっと非常線が張られたのだ」と書いている。
(佐藤史朗著「記者魂 キミは社会部記者を見たか」講談社/2008)

A氏の奇妙な発言の数々

一橋文哉著「宮崎勤事件 塗り潰されたシナリオ」で、警察官僚のA氏なる人物が「あの部屋をマスコミに撮影させて、『性的欲望を満たすための犯行』という『分かりやすい』事件に印象づける作戦だった」と言っている。しかしこの話はマユツバもいいところだ。

このA氏のキテレツな発言の検証はこちらに別項で分けた。




●なぜ宮崎事件だけが

91年の足利事件での逮捕時、栃木県警には、宮崎事件に携わったベテラン捜査員が何人も応援として投入されていた。

得体の知れない印象操作作戦がA氏ら警察官僚トップで練られ、宮崎事件で成功?したのなら、なぜこのときは使われなかったのか?

DNA鑑定の結果しか物証など無かったのに、大勢のマスコミのカメラの中、逮捕が前提の任意同行と家宅捜索が行なわれたのである。

〈性的欲望を満たすための犯行〉の印象付けにマスコミを利用するなら、正にこのときをおいて無かったはずだ。なぜ犯人とされた男性の部屋のアダルトビデオやダッチワイフは写されなかったのか?
この事件から20年以上の間、残酷で不可解な猟奇事件は頻発した。だが神戸のサカキバラ事件しかり、奈良女児殺害事件しかり。犯人の部屋の映像が報道されたのはこの宮崎事件だけである。

この一事をもってしても“作戦”など架空のもので、単なる偶然だったことは自明の理だ。
小池壮彦氏は「こんな疑問が放置されたままなのだ」と書いているが、疑問が放置されてるのではなく、ご自身が自分好みのストーリーに脚色して書いているだけの話である。




■オタク部屋は捏造された?

行きがかり上、宮崎の部屋の話ついでに、この件にも触れておこう。


●並べ変えられた雑誌

読売ウィークリーブログ(2005/11/12)『いったいどうなっているのか』は、木村透氏ら取材陣が宮崎の部屋に入った際、何人かが床に散らばっていた雑誌類のうち、エロ雑誌を目立つように並べ変え、作為的な報道をしたことを告白したブログである(掲載後すぐに削除。全文はこちら)。
http://erict.blog5.fc2.com/blog-entry-165.html

追記・2013・12
上記のリンク先はいつの間にか消えてしまった。くだんのブログのキャッシュや、スクリーンショットを載せたページは、なぜか軒並み消えているようである。やむを得ず、以下に全文をテキストで掲載する。



日付:2005.11.12
タイトル:いったいどうなっているのか


女子高生がタリウムを母親に飲ませたかと思えば、
今日は同級生の女の子を殺した疑いで高1の男子が逮捕。
いったい、どうなっているのでしょう。
とても理解できません。

10年ほど社会部にいたので随分事件取材もやらされました。
警視庁記者クラブでは、
詐欺とか汚職などの知能犯を扱う捜査2課の担当だったせいで、
その後もそんな事件ばかり取材しました。
知能犯ですから、頭を使った犯罪なのですが、
動機はほとんどが「お金」。
その点では、大変わかりやすいのです。

理解不能と思った事件も、多くはありませんが、経験しました。
忘れられないのは、平成元年の「宮崎勤事件」です。
幼女4人の連続誘拐殺人。
オウム以前の、戦後最大の事件かもしれません。

ビデオテープで埋まった宮崎勤の部屋の映像を覚えている方も多いと思います。
実は、事件後あの部屋に初めて入ったのは私です。
宮崎勤が逮捕されたという一報で、
五日市町の彼の自宅に急行しました。

なんと、まだ警察官も来ていなくて、
3−4人の他社の記者が彼の両親を取り囲んで話していました。
そのうち、だれかが彼の部屋を見せてほしい、と言ったところ、
彼の父親はどうぞ、どうぞ。
母屋から彼の部屋には幅30センチほどの板が通路代わりに渡されていました。
幅が狭いので一人ずつ渡ることになり、
5,6人の記者でじゃんけん。
で、私が一番になった、というわけです。

部屋に一歩入ったときのことは忘れられません。
窓がなくて薄暗く、
四方の壁面がすべてビデオテープで埋め尽くされていたのです。
テレビとビデオデッキが3−4台あったと記憶しています。
そんな部屋は見たことありません。
まさに「理解不能」でした。

おそらく、あの部屋の映像を覚えておられる方は、
あのビデオはみんな、アダルトとか盗撮とかロリータとかそんな類のものだと思っているのではないでしょうか。
実は違うのです。
大慌てで、ビデオのタイトルを写したのですが、
ほとんどは「男どあほう甲子園」とか「ドカベン」といった、
ごく普通のアニメばかりでした。
その中に、おぞましい映像が入ったビデオも含まれていたのですが、
少なくともそれはごく一部だったのです。

なぜ、そういうイメージが伝わってしまったか、
については理由があります。
部屋の隅には、数十冊の雑誌の山がありました。
どんな雑誌かももちろん確認しました。
大半は、「GORO」「スコラ」です。
20代の男性としては、ごくごく普通でしょう。

その中に「若奥様の生下着」という漫画が1冊ありました。
ある民放のカメラクルーがそれを抜き取って、
一番上に重ねて撮影したのです。
それで、あの雑誌の山が全部、さらにビデオもほとんどがそういう類のものだという、
誤ったイメージが流れてしまったのです。

ま、犯した犯罪からすれば、そのくらいは誤解されても仕方がないかもしれませんが、
それでもやっぱり、事実とは違ったのです。
高校生逮捕の夕刊を見て、
そんなことを思い出しました。
(苦悶デスクこと・木村透)

(格闘する読売ウイークリー編集部)



このエントリが発表されたときは、15年近くも経って何を今頃…と思ったものだ。

床の雑誌の映像が各社によって微妙に違うことや、エロ雑誌がわざとらしく並べ変えられたことなど、当時のニュース映像に接していた多くの人がとっくに知っていたことである。


「幼女連続殺人事件を読む」(JICC出版局/1989より えのきどいちろう氏のコメント抜粋)



木村氏の思い込み?



木村氏は、たかがエロ雑誌一冊で「みんなを騙してしまった」と思っているようだ。

だがニュース映像では〈仮面ライダー〉だの〈キューティーハニー〉だのと書かれたビデオテープが大写しにされ、宮崎が好きだという〈電人ザボーガー〉の映像まで何度も挿入されていたではないか(笑)。


              日本テレビ「NNNニュース」89・8月11日より       産経新聞社

もちろん「たかが」とは言え、この取材陣の並べ変え行為は立派なヤラセであるが。

「ほとんどがそういう類のものだという、誤ったイメージ」を持ったのは、最初から予断と偏見に満ちた、短絡的な思考をする人たちのみであろう。例えば大谷昭宏氏のように。
http://archive.is/TrOa

ちなみに大谷氏には「冤罪の恐怖〜 人生を狂わせる『でっちあげ』のカラクリ」なる著書がある。その前にご自分が「(宮崎の)自宅に児童ポルノを中心に6000本ものビデオ」の話をでっちあげているのだから、全く笑い話だ。



●衝撃の発言?

あの報道をリアルで見ていない世代の方は、こんな低レベルなヤラセが“衝撃の新事実”のようだ。

(2ちゃんねるより)

当時、すでにバレバレだったエロ雑誌の並べ変えのいったい何が「世間の常識を根本から覆すような衝撃の発言」なのか、筆者にはサッパリ分からないが、世代ギャップの差異ならば仕方がない。※注


●捏造話を“捏造”


@世間の話題を総なめにした、宮崎被告の『オタクの殿堂』とも呼べる宮崎勤の部屋を創り上げたのは、テレビのディレクターだったことが読売ウィークリーの記者から暴露されている。 一番上にわざとエロ本を並べて、それ風にして撮影したらしい。

ちなみにこのことを暴露した読売記者は懲戒免職処分になったそうだが。。
http://ccplus.exblog.jp/8146130

この@のブログは内容が下らな過ぎて、あまり真面目にツッコむ気にならないのだが…

「このことを暴露した読売記者」とは、件の木村透氏のことだろうが、彼は懲戒免職になどなっていない。2010年のブログでの肩書きは読売新聞東京本社 教育支援部長である。
http://www.prk.co.jp/hyoban/column/column_056.html

また氏のブログには〈テレビのディレクター〉は一語も出てこない。下記の小池氏のホラ話とゴッチャにしてしまっている。
かくして、こんなデタラメなブログを真に受けた者が、このような劣化書き込みをネットに蔓延させてゆくという訳だ。


(Yahoo!知恵袋より)



●謎?のディレクタ―


Bこの件に関連して最近妙な話を聞いた。まだ宮崎が綾子ちゃん殺害を自供する前というから、マスコミが現場に殺到した8月10日より以前のことである。

ひとりの男が宮崎宅を訪れた。彼はあるテレビ製作会社のディレクタ―だった。家族に許可を取ったかどうかは不明だが、宮崎の部屋に上がりこみ、ビデオをうず高く積み上げた―――――

そう、あのオタク部屋を作ったのは彼だった。舞台設定を整えてカメラを回し、帰っていったという。

彼は現在消息不明らしいが、当人を知る人物から本誌編集者が聞き出した話である。
http://www.asyura2.com/0505/bd41/msg/730.html


こちらは例によって小池壮彦氏の怪しげな文章だ。一人のディレクタ―なる者がこっそり部屋にビデオを積み上げ、撮影して帰ったとのことだが、よく考えてほしい。
ビデオテープ一本の重量が200グラムとして、約6000本となれば1.2トンである。トラックで乗りつけねばならない。

段ボール箱一個にテープを40本詰めたとして(一個が8キロだ)、段ボール箱150個分となる。玄関から離れの、宮崎の自室までは約20メートル。これを一人で運び込んだら、どれだけ大変な作業になるか。
しかも宮崎の部屋にあったのはビデオだけではない。数百冊のマンガ本や雑誌もあり、ビデオテープには手書きのタイトルが一本づつ貼られていたのだ。それらを一人でセッティングするとなったら、気の遠くなる作業であろう。

さすがに“怪奇探偵”だけあって、不気味な感じの語り口は巧みだが、作り話をするならもう少しリアルにして頂きたいものだ。

おまけに文章の結びが、都市伝説特有の〈友だちの友だちが聞いた話〉になっているご丁寧さである。ちなみに単行本収録の際、この部分は微妙に書き変えられている。

                 (小池壮彦著「怪奇事件はなぜ    (不思議ナックルズ
                 起こるのか」2008年/洋泉社より)   2005年/VOL・4より)        

「証言」とは法廷か何かで証言したのか、それとも小池氏に対して「証言」したのだろうか。

不思議ナックルズの記事バージョンでは、小池氏が編集者から又聞きしただけにしか読めないのだが。“当人を知る人物”とやらが実在するなら、ぜひ話を聞きたいものだ。



●トリック(笑)

先述のA氏は、この並べ変えの件についても「その(エロ雑誌の)配置が計画的なものだとしたら……。あの事件の背後には、そうした小さなトリックが随所に隠されているんだ」と、のたまう。

こんなものをトリックだの情報操作だのと呼ぶなら、あまりにもバカバカしい子供だましだ。

そもそも〈若奥様のナマ下着〉はタイトル通り人妻モノの、ごく普通の成人向け漫画である。犯人のロリコン性を印象づけるとしたら全くのミスキャストだ。




妄想にとり憑かれた人々

それにしてもこんな子供だましをネタに「宮崎のオタク部屋は創り上げられたものだった!」と、妄想をブチあげる輩にも苦笑してしまう。

@のブログもAのブログも、テーマ的には「マスコミのウソに騙されるな!」といった趣旨のようだが、その前にご自分らが、ゴミのようなホラ話に騙されているのだから世話はない。


宮崎の部屋の写真2種

                (朝日新聞社)                        (共同通信社)

左の写真と見比べると、右は布団の左横にも雑誌が並べられているのが分かる。ビデオテープ等はいじられてる様子はない。

朝日新聞社の写真では〈若奥様のナマ下着〉がCM雑誌の下にあり、ゴミ箱も乗っているので“初期状態”と思われる。




共同通信社の写真の拡大部分。(週刊読売89年8月27日号より)

共同の写真はかなり雑誌類が荒らされた後に撮られたようだ。だがこの状態をもって〈若奥様のナマ下着〉を“一番上に重ねた”とは、苦しいどころか、ハッキリ言ってウソである。



木村氏のブログの矛盾

そして件の木村氏のブログも、よく読むとちょっとオカシイのだ。木村氏は、


と書いているが、氏は読売の記者なので、上の朝日の写真は、読売が出た後に入れ替わった、朝日のクルーが撮ったことになる。

「ある民放のカメラクルーがそれを抜き取って一番上に重ねた」と言うが、それにしては雑誌類はまだ荒らされていない。ゴミ箱も乗ったままだし、〈若奥様のナマ下着〉も
CM雑誌の下のままだ。

木村氏は「ある民放のカメラクルーが抜き取っ」たところを部屋の中で見ていたのだろうか。「5,6人の記者がじゃんけんで」順番に中に入ったのではなかったのか?




床の雑誌映像のバリエーション


左上・毎日新聞社、右上・日本テレビ「真相報道バンキシャ!」08年6月22日放送分、左中・アサヒグラフ89年8月25日号、左下・放送局不明。
右下・週刊文春89年8月31日号(写真は共同通信社提供)より


ご覧の通り、雑誌類は床に並べられたのであって、〈若奥様のナマ下着〉が“一番上に重ね”られた映像は存在しない。


(夕刊フジ 89年8月17日号より)

〈若奥様の〜〉の反対側、布団の左側に並べられた雑誌類。不鮮明な写真だが〈アニメディア〉を中心に、〈コミックフラミンゴ〉〈マンモスクラブ〉〈コットンコミック〉〈ペンギンクラブ〉〈レモンクラブ〉などが見える。

当時販売されていたロリコン系漫画誌は、片っ端から買っていたようだ。


これらエロ雑誌が、部屋の外から持ち込まれて並べられたのなら、それは純度100%の捏造と言えるだろう。だが全て、もともと彼の部屋にあった物だ。

当時、ニュースのチャンネルを変えれば、上のような映像が矢継ぎ早に映し出されていた。雑誌が並べ変えられたヤラセなど、ちょっと注意すれば誰が見ても分かる“周知の事実”だったのだ。





※注「ここに10万人の宮崎勤がいます!」発言は都市伝説ではないかという声が根強い。未だに証拠のビデオ映像がアップされたという話もなく、真偽は不明である。

(〈10万人の宮崎〉発言については、詳しく検証しているブログがいくつかあるので、そちらを参照されたし)


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