12・根本的な欠陥?




「狭山事件 一問一答 冤罪論の疑わしさをめぐって」より

右肩環状連筆とは

これは脅迫状の字で特徴的な、「す」や「な」の一画と二画がグルリとつながり、サーベルの柄のように見える部分のこと。脅迫状の「す」は3文字全てこのように書かれてるが、石川氏の文字にこの「す」は出現しない。


半沢氏は、石川氏が1965年までに書いた1000字以上の文字を一つ一つ対照した。その中に「す」は225文字、そのうち連筆の「す」が現れたのはわずか5文字である。すなわち連筆の「す」を3文字続けて書く確率は、


で、11390625分の125となり、9万回に一回も起こらないことになる。もっとも個人的には大野氏同様、逮捕後の筆跡を対照資料に使うのは無意味と思うのだが。

Wolfgangが半沢鑑定をどこまで理解した上で「信憑性が無い」「取るに足らない」と断定しているのかは知らない。しかも「根本的な欠陥がある」とまで指摘している。

ではその根拠は何かというと、何と石川氏の自白である。


根拠は“トンデモ自白”


>脅迫状は3度の書き損じを繰り返した後、4度目にやっと書き上げたものだといいます

これは(ニセの自白後の)6月24日付け調書、もしくは翌日の検面調書からであろう。ここに書くと長すぎるのでこちらにリンクを貼った。

そもそも、ニセ自供以後の自白調書そのものが、架空の作り話のオンパレードだ。善枝さんの殺害状況を始めとして、この脅迫状作成についてだけでも、

石川氏が漢字の参考にしたという少女漫画誌『りぼん』昭和36年11月号は、半年前に妹の友人に返却されており、事件当時石川宅にはなかった。

●しかも『りぼん』当該号には、脅迫状に使われた「刑」「西武」の字は無かった。

●石川氏は脅迫状の作成に「妹のノートから三、四枚破って使った」と言うが、脅迫状の紙の綴じ目穴と、妹のノートの綴じ目穴は数が違う。

●「五月2日」「さのヤ」をボールペンで訂正したと自白してるが、実物はペンまたは万年筆で訂正されていた。封筒の「少時」も同様。

等々、ことごとく事実と整合しないスチャラカ話ばかりなのは、今さら筆者ごときが書くまでもないことだろう。

そんなものを根拠にされても、どうにも困ってしまうのだが。


野間宏 『狭山裁判』より

同じ条件下での比較???


>3度の書き損じを経て疲労した状態で書き上げられた脅迫状の筆跡と比べるなら、対照するサンプルもやはり3度の書き損じを経て疲労した状態で書かれた筆跡でなければ同じ条件下での比較にはなりません。

5年前に書いたとされる早退届の「ツ」の一文字を、鬼の首を取ったように掲げ「脅迫状を書いたのは石川だ!」としてる人物の、いったいどの口?からこのような発言が出てくるのか、全く不可解だ。

そのように言うなら、早退届の「ツ」は「3度の書き損じを経て疲労した状態」で書かれたことを、ぜひ証明して頂きたい。だって「ツ」の字は脅迫状の字と同じなんでしょ?


>「右肩環状連筆」は字を書くことに疲れたために横着して字画をつなげて書いた結果と考えることができます。

こんなものは言うまでもなく、トンデモ自白を元にしたWolfgangの空想である。

実際に1000字以上の文字を対照した半沢氏の鑑定を、こんな、ただの空想で「信憑性が無い」「取るに足らない」と片付けているのだから全く恐れ入る。
だいたい「ずツ」の「ツ」の字ばかりをあげつらうが、ならば早退届の「す」の字も、一画と二画がグルリとつながってるはずだが?

  早退届の「す」    脅迫状の「す」

「根本的な欠陥」があるのは、いったいどっちの論旨だろうか。

ネットのあちこちに

Amazonで販売している狭山事件関連本のページを見ると、カスタマーレビューにちょくちょく“tosainu”なる人物が感想を書き込んでいる。
(2014年12月追記。何故か現在は投稿者名が“七篠あのん”に書き換えられているが、レビューの内容は同じ)

この項で扱っている半沢英一氏の著書には、こんな書き込みをしている。



Amazonより

これって、Wolfgangの書いていることと瓜二つなんですけど(笑)

Wolfgangが狭山事件は本当に冤罪か? を公開したのが、2013年6月8日からのようなので、このカスタマーレビューはそれより少し前に書かれたのだろう。“tosainu”は“同類”の手合いか、もしくはWolfgang本人と思われる。


他に“tosainu”(七篠あのん)がレビューを書き込んでいるのは、今のところ目につくのは殿岡駿星氏の著書@A伊吹隼人氏の著書ページだ。

殿岡氏の著書に対しては「いいかげんな学生のレポート」「人権侵害」(ププ…)とこきおろす一方、伊吹隼人氏の著書に対しては、部落民が犯人の可能性を示唆してる部分を褒めるなど、分かりやすい人物だ。

伊吹氏の著書に関するレビューは「日録」のこのページと、瓜二つというか、殆どコピペに近い。

この連中が同一人物だろうと何だろうとどうでもいいが、いやはや、ネットのあちこちに差別落書きもどきを残して回る、このドス黒い情熱には脱帽だ。こんなメンドいこと、オレはとてもじゃないがマネできんよw。
2chの狭山事件スレを見ると、薄汚い差別デマが毎日のように書き込まれ、ウジ虫のようにのたくっている。

「日録」作者も頻繁に狭山事件スレに現れては、自分のブログの宣伝をしていた(最近はどうか知らないが)。彼と“同類”は、
きっと今この瞬間もせっせと、血走った目で2chに差別デマを垂れ流していることだろう。




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